イギリスのお菓子について

第2回 ダンディーケーキ

スコットランドの港町ダンディーの名のついた、フルーツケーキ。

18世紀にKeiller 社が最初に作ったと言われています。

ダンディーケーキには、マーマーレードのピールを入れ、上面にはアーモンドを放射線状に飾るのが特徴と言われています。

昔は、植木鉢のようなもので、焼かれていたそうです。

今から200年位前、スペインからオレンジを積んだ船が、嵐でダンディーの港に停泊中、keiller社の創設者ジェームスケイラーがその船荷を安価で手に入れたが、それはセビルオレンジという大変苦味の強い種類で、薬や工業用に使われるものでした。

そこで彼の妻が砂糖を加え煮て作ったところ、とても美味しく、マーマーレードとしてイギリス中に広まりました。

毎年の1月のわずかな期間、イギリスではセビルオレンジが出回り、マーマーレード作りが始まります。

今日、スペインのセビル産のセビルオレンジは殆どイギリス向けに作られています。

 

(写真・文 杉本悦子)

第5回 イートン・メス

第5回 イートン・メス

イギリスの爽やかな夏の定番デザート、イートン・メスを作るのは簡単です。 苺とダブルクリーム(脂肪分の高い生クリーム)とメレンゲを合わせて、苺を煮たソースをかけたらもう完成! いただく時も、メレンゲを崩してmessy(ぐちゃぐちゃ)に混ぜていただくのが正解の食べ方です。 簡単で美味しく、今や世界中で愛されるお菓子ですが、実は名前の由来もなかなかにmess(混乱)なのがこのお菓子です。  ...

第4回 ヴィクトリア・サンドイッチ

第4回 ヴィクトリア・サンドイッチ

ヴィクトリア・サンドイッチとは、2枚のスポンジケーキの間にジャムやクリームを挟み、仕上げにお砂糖を振りかけたケーキです。 スポンジケーキと言っても、日本で知られている繊細でやわらかなスポンジではなく、イギリスのスポンジケーキというのは基本的にパウンドケーキに近い食べ応えのあるケーキのことを指しています。  ...

第3回 ショートブレッド

第3回 ショートブレッド

ショートブレッドはスコットランドの伝統的なお菓子で、バターがたっぷり含まれた、リッチな味わいのビスケットです。 イギリス全体で長く愛されるお菓子であり、その歴史は古く、発祥は12世紀と言われています。 当時はパンを作る際の余り生地を低温のオーブンで堅くなるまで焼き、「二度焼いた」を意味する古いフランス語の”biscuit”に由来して、「ビスケットブレッド」と呼んでいました。 そのうちにイーストがバターに代わり、「ショートブレッド」と呼ばれるようになったのです。...